フラワーアレンジメントの基本 お花が長持ちするオアシス(フローラルフォーム)の使い方、扱い方、カットの仕方、吸水方法
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フラワーアレンジメントの基本 お花が長持ちするフローラルフォーム(吸水フォーム)の扱い方
フローラルフォームの使い方、扱い方、吸水方法を知ることは、フラワーアレンジメントを長く愉しむためには必須です。正しい扱い方を知っていただきフワラーアレンジメントを楽しむお役に立てたら幸いです。
フローラルフォーム(吸水フォーム)について
フローラルフォームとは
フローラルフォームはフラワーアレンジメントをする時に給水してお花を挿すスポンジのようなものです。「吸水フォーム」とも呼ばれているようです。
フローラルフォームや吸水フォームというよりも「オアシス」(スミザーズオアシス社の登録商標 ”オアシス® フローラルフォーム”)というほうがご存知の方が多いでしょうか。スミザーズオアシス社が最初にフローラルフォームを作ったので、オアシスという商品名が通称名になったようです。
ちなみに松村アクア株式会社から出ているものは「アクアフォーム」となっています。
上の写真のフローラルフォームのサイズW23センチ×D11センチ×H8センチは、スタンダードサイズとして出回っているものです。
100円ショップなどで販売されているものは、サイズが一回り小さいものもあります。
フローラルフォーム(吸水フォーム)はどこで買えますか?
フローラルフォームの購入先は、お花屋さんやホームセンター、100円ショップなどで販売されているほかには、インターネットでも購入できるようになっています。
フローラルフォームの価格の違いは何?
フローラルフォームはメーカーによって価格に違いがあります。
価格の差は吸水力、保水力、お花のホールド力、花持ち度など品質によるようです。
価格が安いものは崩れやすかったり、吸水力や保水力が悪いものがありますので、用途によって使い分けるとよいでしょう。
フラワーアレンジメントの練習を何度もする場合は安いもので差し支えないでしょう。長く楽しみたい場合は信頼できるメーカーのものを使用すると良いと思います。
フラワーギフトやアレンジしたものを長く飾って楽しむ時には質の良いものを使用することをお勧めいたします。
オアシスのカットの仕方について
オアシスは吸水をする前に、花器に合わせてカットすることをお勧めいたします。
オアシス社やアクアフォーム社のものは、上の写真のようにラインが入っています。
このラインはカットする時の目安になるように入っているので、活用されると無駄なく使用することができるでしょう。
吸水前のオアシスをカットするのは、吸水後にカットするとお水が出て机などが水浸しになってしまいます。オアシスを効率よく使用するには、必要な分だけカットして、その都度吸水して使うことをお勧めいたします。
花器の口からオアシスを出してアレンジする時と、花器から出ないように、花器の口に合わせて面一でカットする場合があります。デザインやアレンジの仕方によってオアシスのカットの仕方は変えるとよいでしょう。
オアシス(吸水フォーム)の吸水方法と吸水時間について
オアシス(吸水フォーム)の吸水方法について
吸水する時はどこを上にして吸水しても大丈夫なようです。*オアシスはオアシス社に確認済
オアシス(吸水フォーム)を吸水する時は、たっぷり水を張ったボールやバケツにオアシスを浮かべて、自然に吸水するのを待ちます。
吸水したら白っぽかった色が濃いグリーンになります。吸水時間はW11,5センチ×D11センチ×H8センチのもので約1分ほどです。
写真のように手で押したり、蛇口から直接お水をかけたりしないように注意してください。
右側が手で押したオアシス(吸水フォーム)です。
外側は吸水されているように色が変わっていますが、中は白っぽい部分が残っているので、吸水されていないことがよくわかります。
吸水はたっぷりのお水の中で、自然に吸水して沈んでいくまでお待ちください。
吸水フォームの2大メーカーに直接問い合わせて、ご返信をいただきましたので、紹介させていただきます。
松村工芸のアクアフォームについて
由をおしえてください。
吸水スピードを上げるには水温(20度~30度)も重要です。
を施されているのでしょうか?
いうのは、裏面は酸が弱いのでしょうか?
オアシスジャパンのオアシスの扱い方について
生花用のマックスライフのオアシスの吸水をする時に、上にしなければいけない面はありますか?
ご質問の件ですが、どの面を上にしても問題ありません。花もちもどの面に花を挿しても変わらず長持ちします。また、表面に花もちがよくなる薬品もついておりません。
吸水後のオアシスの扱い方
吸水してお花を挿したオアシスにお水を上げる時のポイントは、オアシスの上面からお水をかけてあげることです。
なぜなら上面からお水が蒸発して、乾燥するからです。
上面からお水を上げる時は、お花とお花の間からお水を差してください。
この時にあまり花にお水がかかりすぎると、花が痛みやすくなりますの気を付けて下さい。
霧吹きでお水をかける程度でしたら大丈夫です。
できれば水道の蛇口から直接お水をたっぷり流してあげると、オアシスの中の古いお水や雑菌が流されてお花の長持ちに繋がるようです。
花器の底にたまったお水は捨てておくほうが夏場は衛生的です。
1度吸水したオアシスをまた使えますか?
1度使用したオアシスはまた使えますか?というご質問をいただきます。
吸水しながら続けて使い続けるのはお花が挿せれば問題ないでしょう。長く使うとカビが表面に生えることがありますので、お気を付け下さい。
1度給水したオアシスを乾燥させたらまた使えますか?
1度給水したオアシスを乾燥させたものは、うまく吸水をしないので使わないほうがよいでしょう。
1度吸水したものを2,3日中にもう1度使うのでしたら、乾燥しないようにたっぷりのお水の中につけておくと乾燥しないのでよいでしょう。
あまり長い期間お水につけて置いておく時は、水を2日に1度くらい入れ替えると衛生的に良いと思われます。
吸水フォームの環境配慮について
環境に配慮した製造方法や材料にこだわって作っているメーカーさんがありますので、ご紹介いたします。
松村アクア株式会社のアクアフォーム(フローラルフォーム)について
スミザーズオアシスジャパン社のオアシス(フローラルフォーム)について
フローラルフォームは、不活性のフェノール樹脂を原料としており、調理器具の取っ手などに使用されている化学的性質と同じです。この樹脂は、フローラルフォームに変化するときの反応の際、極微量の遊離酸を発生させます。これは水を加えることにより、基本的には中和されるものです。
生産工場の対応として、1981年に我々は企業の環境及び社会的責任をきちんと果たしていく会社としての具体的アクションとして、業界初のノンフロン生産(フローラルフォーム製造時にフロンを使用しない生産方法)を開始しました。
JIS A6921に基づくテストで、オアシス®製品は吸水性フォームの中でもホルムアルデヒドの低さにおいてトップクラスの結果を得ており、この25年間で揮発性有機化合物(volatile organic compound emissions:VOCs)の発生を85%も削減しております。
燃焼しても安心・有害物資の発生なし。スミザーズオアシスの製品は、厳選した原料を使用して製造しており、燃焼してもダイオキシンや塩素ガス等の有害物質を発生しません。
サステナブルな開発を実現・業界初となる環境保護製品、生分解促、吸水フォームの開発に成功長年の研究により、2015年に業界初、ゴミの削減に貢献した環境保護製品『マックスライフエコ』を発売。
土に埋めると2年以内に89%まで生分解する吸水フォームです。私たちは、資源の消費を最小限に抑えるよう品質と信頼性を確立し、維持していきます。
*スミザーズオアシスウェブサイトより
アレンジをしたオアシス(吸水フォーム)に水をあげる方法
アレンジをしているオアシス(吸水フォーム)に水をあげる時は、花にかからないように花の間から上げるのが望ましいです。
というのは花弁に水がかかると傷みやすくなりますので、気を付けていただくとお花の長持ちに繋がります。
お水をあげる時は水道の蛇口から直接でも良いですし、写真のような口が細くなっている水差しを使ってもよいでしょう。
身近なものでしたら、ケチャップやマヨネーズの空き容器なども使いやすいです。
最後に
オアシス(フローラルフォーム)は正しく扱い、吸水をすることでお花の長持ち度も全く変わってきます。オアシスの正しい扱い方を知って、フラワーアレンジメントを長く美しい状態で楽しんでいただければうれしいです。
この記事はアトリエジューンを主宰し、一般社団法人フラワーワークスジャパンの理事を務める石井純子が執筆いたしました。大学を卒業後、30年にわたり花の仕事をしてまいりました。開校してから14年目(2024年現在)教えた生徒さんは延べ2800人、3人を教室開校に導きました。教室を開校するまでは約18年間、企業様向けにアーティフィシャルのフラワーアレンジメントをレンタルする仕事で現場の経験を積みました。2016年船上フラワー競技会 コンチェルトカップでは優勝をいただきました。